この記事は『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』について、実際に劇場で映画を見てきた管理人が、ネタバレありで考察や解説をお伝えする記事です。
この記事を読むと、次のようなことが分かります。
本文の内容
- 『PSYCHO-PASS サイコパス3』の簡単な復習
- 『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』Amzon Prime Video配信版と劇場公開版の違い
- 『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』で残された伏線についての解説と考察
特に伏線の整理と解説に力を入れていますので、本作を見て「なんかもやもやするな・・・」という方はぜひ一読してみてください。
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ネタバレあり『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』の感想
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『PSYCHO-PASS サイコパス3』の復習(1話〜8話)
サブプライムローン・経済編(1話〜2話)
2120年、東京ーーー厚生省のシビュラシステムが恒久的な平和を約束した社会。
長い鎖国政策からかじをきり、外国人の移民を受け入れた日本は、急速に変化し様々な問題をかかえていた。
そんな中、新人監視官、慎導灼と炯・ミハエル・イグナトフが、公安局刑事課一係に配属される。
かつて数々の難事件を解決した刑事課一係だったが、霜月美佳は刑事課課長に、常守朱は勾留の身となっていた。
灼と炯にとって最初の事件、大型ドローン船墜落事故では、ハイパートランスポート社の内部告発を企てたリック氏が暗殺された。
事件の背後にはコングレスマン、インスペクター、狐からなるビフロストという謎の組織が関わっていたのだった。
東京都知事選挙・政治編(3話〜4話)
ある日メンタルケア施設での患者の落下事故が起こる。死亡した土谷氏は、東京都知事候補の小宮カリナの元メンタルケアスタッフであった。
炯と灼が捜査をすすめる中で、土谷氏が大衆心理を誘導するAI<マカリナ>を発明した人物であることが判明する。
ビフロストは、選挙戦を操作し、小宮のマカリナ(=代理人格AI)を社会に認知させることを狙っていた。
連続爆弾テロ・宗教編(5話〜8話)
移民問題を暴露するために作られた過激なテロ活動<終末救済プラン>は、アウマ、テレーザ、二世、久利須の四人によって計画されたが、実行されることは無いはずの計画だった。
このプランに目をつけたビフロストは計画を実行、アウマらは罪を着せられて消されてしまう。
計画の最後の標的が、小宮カリナ(東京都知事)だと分かった一係は、カリナの護衛任務につく。
そして外務省行動課は、ビフロストとも繋がってるピースブレイカーの残党(パスファインダー)を追う。
如月が囮となりインスペクターの梓澤康一を呼び出そうとするが、待ち合わせの場所には梓澤康一に騙されたコングレスマン法斑静火がいた。
妻の舞子を救出することと引き換えに法斑静火を助けてしまった炯は、13番目のインスペクターとして契約を交わしてしまう。
ケイ
Amazon Prime Video配信版と劇場公開版(映画)の違い
Amazon Prime Videoで配信されている『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』と、劇場で公開されている映画の違いを一言で言うならば特典映像の有無です。
劇場公開版では、エンドクレジット後に、常守朱が灼と炯に「2年前の事件の真相を話します」と語りだすシーンがあるのです。
細かいことを言えばAmazon版は物語を3分割しているという点もありますが、物語の内容としては一緒です。
- 前編(Ziggurat Capture Part 1)
- 中編(Ziggurat Capture Part 2)
- 後編(Rainy day, and)
興味がある方はAmazon Prime Video配信版もぜひチェックしてみて下さい!
映画『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』ネタバレ解説・考察
かなり多数の伏線が『PSYCHO-PASS サイコパス3』8話の時点で残っていました。ざっと上げると次の通りです。
- 常守朱が勾留された理由
- 公安局局長の名前が変わっている理由
- 灼の父・慎導篤志死亡の謎
- 炯の兄・アキラ イグナトフ死亡の謎
- 六合塚弥生が関わった最後の事件
- 小宮カリナが命を狙われる理由
- ビフロストの正体
はい、多いですね。
そして管理人の見解では『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』で回収された伏線は、次の太字で示した伏線だけです。
- 常守朱が勾留された理由
- 公安局局長の名前が変わっている理由
- 灼の父・慎導篤志死亡の謎
- 炯の兄・アキラ イグナトフ死亡の謎
- 六合塚弥生が関わった最後の事件
- 小宮カリナが命を狙われる理由
- ビフロストの正体
つまり多くの謎を残したまま終わった、というのが本作の特徴であり、今後の続編に期待することでもあります。
それではそれぞれの伏線について詳しく見ていきましょう。
常守朱が勾留された理由
常守朱が逮捕された事件に関する最大のヒントは、2話に出てくる慎導灼のパソコンの画面にあります。
この画面には7つの記事がのっているのですが、次の3種類に分類できます。
- 常守朱が逮捕された事件
- 慎導篤志の黒い疑惑
- テロで50人が死んだ事件
1の常守朱が逮捕された事件に関する記事だけをピックアップし、文字起こしすると、次のような文章になっています。
4つの断片的な記事を読み解くと「シビュラシステム施工五十五周年記念のイベントで、常守朱が何者かに発砲する事件を起こした」ことが分かります。
つまり公衆の面前で銃を発砲したことが、常守朱が軟禁されていた理由なのではないかと推測されます。
そしてその発砲は、事故ではなくはっきりと狙いを定めて行われたものだった、ということが読み取れます。
『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』で細呂木局長は「常守朱の件は保留扱い」と語ってました。
例え発砲事件であっても、常守朱の優秀さを考えれば軟禁状態しか選択肢は無かったというのが当ブログ管理人の予想です。
公安局局長の名前の変化
公安局局長の名前は1期と2期では禾生壌宗(かせいじょうしゅう)でした。しかし3期では細呂木晴海(ほそろぎ はるみ)に変わっています。
この謎も『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』では回収されませんでした。
ただヒントとなりそうな記事が、先程のパソコン画面の記事の中に一つにあります。
見ての通りこの記事にははっきりと禾生壌宗という名前が載っています。
つまり禾生壌宗は、シビュラシステム五十五周年記念の式典までは、公安局局長として存在していたことが分かります。
常守朱の発砲事件と合わせて考えると、銃で撃たれたのは禾生壌宗だったのではないか?という考察も浮かび上がります。
慎導篤志の死の謎
『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』でも、慎導篤志の死についての謎は回収されませんでした。
なのでここではすでに出揃っている情報から、少しだけ慎導篤志の死の謎について考えていきたいと思います。
まず先程お見せしたこの写真の中には「慎導篤志の黒い疑惑」というタイトルの記事もあります。
該当する記事を文字起こしすると次のような文章になります。
この文章の中には、慎導篤志について次のことが書かれています。
- シビュラシステム設立当初から関わっていた
- シビュラの海外輸出に関わっていた
- 金銭の横領をした
注目したいのは、慎導篤志がシビュラを海外輸出しようとしていたことです。私はそれが篤志氏の死の原因だと思っています。
恐らくシビュラシステムの海外輸出は、ビフロストの利益に大きく関わってくる問題だったのではないでしょうか?
例えば、海外が日本のように平和になってしまうと、ビフロストの金銭源である略奪経済が成立しません。
略奪経済とは非合法的な手段で富を搾取することです。代銀遙熙は作中で「略奪経済の復活」を後押しする発言をしています。
ビフロストがピースブレイカーという闇経済や海外での略奪にかかわる特殊部隊を使っていたことも、この説を後押しします。
シビュラシステムが海外輸出されるとビフロストの利益が著しく損なわれる、だから慎導篤志は殺されたのだと推測します。
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アキラ・イグナトフの死の謎
炯の兄であるアキラ・イグナトフの死亡についても『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』では回収されませんでした。
今のところ分かっている事実は、灼の父である篤志氏が、アキラ・イグナトフを殺害したということだけです。
しかしその情報もなにか意図的に操作されている可能性は十分にあります。
六合塚弥生が関わった最期の事件
8話のラストで、刑事課一係のメンバーの取材をしていた弥生は「私が最期に担当した事件と、今の刑事課一係が担当している事件は繋がってる」と呟きます。
その言葉の意味するところは『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』では明らかになりませんでした。
事件の繋がりは、今後のスピンオフ作品か『PSYCHO-PASS サイコパス4?』などに期待したいところです。
小宮カリナが命を狙われた理由
この伏線は『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』で回収されました。ただ回収の説明はけっこう難しいです…
まずビフロストが小宮カリナを殺そうとしたのは、シビュラシステムの盲点を(半永久的に)作り出すためだった、というのがシンプルな解説です。
もう少し詳しく、ビフロストの意図することを汲み取ると、次のようなロジックで盲点を無限に作り出そうとしていたのではないでしょうか。
- 小宮カリナが移民に殺されて死亡する
- 代理人格AIマカリナが政治を担う社会の到来
- 代理人格AIを人間と同格で扱う(ことをシビュラが容認する)
- これまでの社会ではシビュラの盲点は「免罪体質者」だけだった
- だからシビュラは免罪体質者を自身に取り込み盲点を潰してきた
- しかし監視の対象がAIにも及ぶことでシビュラの盲点は増える
- さらにAIは人為的に作ることが可能=盲点を無限に作ることが可能
4話で「マカリナの存在が大衆に認知されても選挙に当選する」という事実を、ビフロストは作り出しましたが、それは作戦の前哨戦だったということです。
ビフロストの正体
ビフロストとは、シビュラシステムの運用初期に、デバックを行う極秘部署から生まれたことが分かりました。
デバッグ(debug)とは、コンピュータプログラムや電気機器中のバグ・欠陥を発見および修正し、動作を仕様通りのものとするための作業である。(Wikipediaより引用)
例えば、シビュラシステムの中に修正が必要なバグが発生したとします。しかしバグがバグとして発見されなければ、それはシステムの盲点になります。
デバックシステム開発の出資者たちは、一部のバグがバグとして発見されない仕組みをつくり、自己利益の為に使っていたのです。
これこそが永遠に富を生み続けるビフロストと、それを支援するラウンドロビンというシステムの正体だったというわけです。
終わりに
いかがでしたでしょうか。今回は『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』の伏線解説と考察をお送りしました。
純粋な作品の感想については、下の記事に記載しましたので、もしよければ次の記事も読んでみてください。
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