2020年6月20日の放送でTVアニメ『波よ聞いてくれ』の放送が終了しました。
本作は基本的にはラジオがテーマの作品ですが、ミナレの行動を通して仕事についての小さな決意を描いているという側面もあります。
最初はやりたくなかったことと向き合ってみて少しずつやりがいを感じていくこと、やりたくなかったこともやってみると意外と面白かったこと。
ミナレの言動を通して「ぼちぼち俺らも頑張るか」と思える作品、それが『波よ聞いてくれ』だったのかなぁと思います。
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『波よ聞いてくれ』最終回のネタバレ感想
どんな風に最終回を迎えるのかワクワクして見ていました。とても驚かされました。
災害報道こそラジオの本分
最終回でテーマを「災害報道」を中心にもって来たんですね。これには驚きました。
というのは原作の漫画で地震の話が登場するのはコミック7巻55話のあたりで、ミナレの置かれている状況もアニメとは随分違います。
地震の話をラストに持ってきたことによって最終回らしいカタルシスが生まれました。アニメ最終回の着地を考えたとき、困難に直面する話はベタだけどベストな選択だったと思います。
災害のとき、ラジオが人の心の繋がりを提供していること。坂本九の「見上げてごらん夜の星を」を後ろで流しながら、セリフ無しで表現する語り口も最終回らしかったです。
アニメって動画と音楽が使えるのが漫画とは違う要素なわけですけど、そのアニメ的なアドバンテージをフルに使った演出で締めくくるあたり、南川監督の力量が感じられます。
アニメでしか描けない『波よ聞いてくれ』、アニメでしか見れない鼓田ミナレが、画面の中にはいました。
小さな決意と大きな一歩
最終回のラストでミナレは「私はラジオ一本でやっていく」と決意します。
その数分後、VOYAGERの中原たちが現れると、「まぁでも一本では無理か」とすぐに決意を改めます。
麻藤が「いつまで素人のつもりだ？」と紙に書いて放送中のミナレに見せるシーン（アニメオリジナルなわけですが）でミナレはハッとします。
ミナレは良くも悪くもここまで素人顔してやって来たわけですが、12話の最終回ではラジオパーソナリティとして一皮むけました。
グラグラと揺れ動くミナレの決意ですが「ラジオ放送も捨てたもんじゃない」と朝日につぶやくミナレの言葉には今までと違う響きが感じられます。
ラジオパーソナリティ鼓田ミナレの生まれる過程を、効果的且つ短い時間で描くには、アクシデントが必要だった。
災害、という社会を巻き込んだアクシデントを経験し、ミナレはラジオのパーソナリティとして一皮むけたのかなぁと思います。
『波よ聞いてくれ』最終回までに描かれ無かったシーン
原作の漫画には、アニメの最終回までに描かれなかった面白い話がいくつかあります。それを簡単に紹介します。
茅代まどかがミナレに説教たれるシーン
茅代まどかがミナレに公園でカップ酒飲みながら説教するシーンは、アニメで描かれなかった最も面白い話の一つです。
ミナレを「自分大好き野郎」と罵る茅代まどかに対し、「ババア」「貧乳」とまどかを罵り返すミナレ。
そんな二人の掛け合いが最高なので、気になる方はぜひ漫画4巻を読んでみて下さい。
宝田さんサブリミナル効果事件
ミナレの天敵でカレー屋VOYAGERの店長である宝田は、あることを条件にミナレにラジオの副業を認めます。
その条件とは、知り合いが作ったという音楽を、ミナレの番組の合間にBGMとして流せというもの。
指示された音楽をミキサーの甲本が確認すると、そこにはサブリミナル効果音でVOYAGERの宣伝が仕込まれていました・・・
これも4巻に収録されている話です。
久連子の取材旅行に同行する話
アニメ版『波よ聞いてくれ』は様々な巻の合体の様相を呈していますが、基本的には1〜4巻までの内容です。
アニメでは描かれなかったですが、5巻以降に発生する、久連子の取材旅行の話はひじょうに読み応えがあります。
もしアニメ『波よ聞いてくれ』の2期があるなら、久連子の取材旅行の話を中心に描かれるのではないかと思います。
最後に：『波よ聞いてくれ』は最終回以降の話が面白い
アニメでは描かれませんでしたが、茅代まどかの生臭いお説教のくだりや、久連子の取材旅行の話はとてもおもしろいです。
アニメは面白かったけど新規で課金するのは嫌！という人は、動画サイトの無料ポイントなどを使って4巻5巻だけでも読むといいと思います。
以上で、アニメ『波よ聞いてくれ』のネタバレ感想を終わります。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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