アカネを見つけ出した六花は
懸命に彼女への思いを語りますが、
アレクシス・ケリヴが二人の間に割って入り
アカネを怪獣に変えてしまいます。
前回の考察どおり怪獣化したアカネは
オープニングにずっと登場していた
玉ねぎのような怪獣でしたね。
悲鳴のような、叫び声のような声で鳴く
アカネ怪獣ですが、アンチの活躍で
怪獣から人間の姿に戻ることに成功します。
自分が作った失敗作によって
自分が救われる展開になる、
なんだか皮肉な展開ですが
この展開にこそ監督の
「命あるモノの無限の可能性」
というメッセージが込められている
のかもしれません。
グリッドマンが裕太に宿った理由
・アレクシス・ケリヴの目的とは
・「あの街」は結局なんだったのか
・最後に出てきた怪獣の正体は
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新条アカネの本当の正体は人間
新条アカネの本当の正体とは
「現実世界に存在する人間だった」
と私は解釈しました。
つまり「神様」の意味というのは、
コンピューターワールドでの街の製作者
という意味だったのだと思います。
明言こそされていませんが
様々なヒントを重ねると
「アカネ人間説」が妥当だと
今は思っています。
アカネ以外の人たちの正体
アカネの正体を語る前に
アカネ以外の登場人物の
正体を解説する必要があります。
アレクシス・ケリヴは六花たちを
「怪獣から生まれた偽物、
贋造物(がんぞうぶつ)である」
と言います。贋造物とは
「本物に似せて作られた偽物」
という意味です。
つまり六花たちは
人間を模して作られた偽物であり
人間ではなかったということです。
もう一つアレクシス・ケリヴは六花を
「レプリ・コンポイド」と呼びました。
コンポイドと言えば
特撮グリッドマンに登場する
「音の妖精 コンポイド ユニゾン」
がすぐに頭に浮かびます。
コンポイドユニゾンについては
こちらの記事に書いていますので
興味があれば読んでみてほしいのですが、
何れにせよ「レプリ・コンポイド」とは
コンピューターワールドに存在する妖精、
コンポイドのレプリカという意味でしょう。
つまり六花や内海たちというのは
コンピューターワールドの中に存在する
人間を模した妖精のレプリカだった。
そういう意味ではただのデジタルデータ
と言い換えることもできるのかもしれません。
ケリヴはアカネだけは「人間」と言った
注意して会話を聞くとアレクシス・ケリヴは
アカネのことだけは「人間」と呼んでいます。
アカネの正体には
複数の可能性があったと思います。
例えばレプリコンポイドを統率する
親玉のようなコンポイドである説。
また特撮グリッドマンの時に登場した
音の妖精コンポイドユニゾンである説。
その他にも様々なコンピューター上で
生まれたモノという設定の可能性も
ありましたがアレクシス・ケリヴは
アカネをそのようには呼ばずに
はっきりと「人間」と言います。
人間がコンピューター世界の中に
アカネはなぜ人間なのに
コンピューターワールドの中に
いたのでしょうか。
答えは簡単で
「アレクシス・ケリヴがアカネを
コンピューターワールドに引っ張ってきた」
のだと思います。
そんなシーンは
作中には無かったのですが、
もともと特撮グリッドマンとは
そういう物語です。
特撮グリッドマンでは、
主人公の直人がグリッドマンと合体し
コンピューターワールドに入ります。
そしてコンピューターワールドの中で
様々な怪獣と戦います。
このとき直人はグリッドマンの力を借り
コンピューターワールドに入るのですから
アレクシス・ケリヴが新条アカネという人間に
同じようなことをしたと考えれば、
辻褄は完全に合います。
六花の最後の言葉の意味
アカネが正真正銘の人間であった
というのであれば最後の六花の
よく分からない言葉の意味も理解できます。
六花は最後にアカネにこう言います
六花「私はアカネとずっと一緒にいたい。
どうかこの願いがずっと叶いませんように」
なんだか不思議な文章だと思いませんか?
しかしアカネが人間であり、
六花はコンピュターワールドの住人である
と理解するなら、この台詞は解釈可能です。
ようするに、六花はアカネに
「二度とコンピュターワールドに
迷い込んじゃだめだよ。
ちゃんと現実の世界で生きようね」
と言いたいのです。
そこには突き放すようなニュアンスはなく
「本当はあなたと一緒にいたいと
心から思っている友人がここにいる」
というメッセージが含まれています。
六花の最後のセリフは
アカネへの精一杯の励ましと
あなたは孤独じゃないんだよ
というメッセージだった。
まさに、グリッドマンの
テーマそのものです。
実写のシーンの意味
「アカネ人間説」を補足するように
ラストシーンでは唐突に
実写のシーンが挿入されます。
そこでは女子高生と思われる
女の子がベットから目覚めます。
女の子の机の上には、
六花がアカネに渡したモノと
全く同じデザインの定期入れが
置いてあります。
恐らく、あのベットで目覚めた
女の子こそ新条アカネ本人です。
もしかすると実写のアカネの目覚めこそが
12話のタイトル「覚醒」の本当の意味
だったのかもしれません。
もし第0話があるなら
ここからは完全に管理人の想像ですが、
新条アカネとは現実世界に退屈した
女子高生だったのでは?と思います。
そんなアカネの前に、
ある日スマホを通じて
アレクシス・ケリヴという
謎の存在が現れます。
アレクシス・ケリヴは
アカネにこう言います
「君の街を作らないか?」と。
アレクシス・ケリヴが
アカネを選んだのは、
アカネの中の情動に
並々ならぬポテンシャルがあった
ということなんでしょう。
このあたりは特撮グリッドマンでの
悪役の武史と魔王カーンデジファーの
出会いにも似ています。
アカネはアレクシス・ケリヴに
招待された世界で、
現実世界の退屈を紛らわすように、
自分の理想の街や人間
(レプリコンポイド)を創造しました。
アカネは途中で裕太のような
イレギュラーのレプリコンポイドや、
そこで生まれる新しい命までは
コントロールできないことに気がつきます。
そこでアカネは怪獣を利用し、
コントロールできない存在を
強制的に破壊したりして
街を作り直すことにします。
そうやって破壊と創造を繰り返すうち
自分がなぜここにいるのか、
どうして怪獣を創っているのかが
よく分からなくなってきた
ということなんでしょう。
そんな元人間のアカネを
助けにやってきたのが
グリッドマンであり、
第一話の冒頭の分裂する星に
繋がるわけです。
グリッドマンはどうして裕太に宿ったのか?
グリッドマンが裕太に宿った理由は、
裕太がアカネを好きにならない
イレギュラーのレプリ・コンポイド
だったからです。
本来アカネの創った世界で生まれた
レプリ・コンポイドは全員
アカネを好きになるように
設定されているのですが、
裕太はどういうわけか
六花を好きになってしまいました。
このあたりは
アレクシス・ケリヴの言うところの
「アカネもコントロールできなかった
イレギュラー」だったのでしょう。
だからグリッドマンは
宿ってもアカネに潰される可能性の低い
裕太を宿主として選んだということです。
わかってみればシンプルな理由でしたね。
前回の考察での予想も正解でした。
長くなってきたので
残りの考察は後編に続きます
ケイ