(C)2017 鎌池和馬／KADOKAWA アスキー・メディアワークス／PROJECT-INDEX Ⅲ
この記事ではアニメ放送前の
見どころ解説を行っています。
とある魔術の禁書目録3期の
放送開始まで残り三日を切りました！！
今回は主人公の上条当麻について
あれこれ考察してみようと思います。
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上条当麻
上条当麻は本作の主人公であり
学園都市の「とある高校」に通う
ごく普通の高校生。
学園都市では能力者を
レベル0から5までの
6段階で判定するが、
上条当麻はレベル0の無能力者。
要するに学園都市では
役立たずで才能がないという
認定を公式に受けている。
この「無能」という設定は
アニメや漫画の主人公としては
よくある設定である。
主人公の「才能」をどう描くか
というのは物語を作る上で
重要な要素になってくる。
アニメや漫画における
「才能の描き方」には
大きく二つの方法があると思う。
一つは、本当は才能があるんだが
才能が無いように見える主人公にすること。
もう一つは（お分かりの通り）
最初から才能がある主人公にすること。
才能の描き方
例えば、少年ジャンプの人気漫画
「NARUTO」の主人公である
うずまきナルトも初期の頃は
才能が無い（ように見える）忍者であった。
主人公を「才能無し」の設定にすると
その後の主人公の成長を描くことができ
様々なストーリーを展開できる。
ライバルには、才能は豊かだが
性格的に破綻したキャラを置くことで
対比の構造も作れる。
ナルトで言えばライバルはサスケで
「とある魔術の禁書目録」でいえば、
アクセラレータや御坂美琴のこと。
もう一つの主人公の描き方は
主人公が最初から才能がある
方向で設定すること。
たとえば最近では
「ワンパンチマン」
という漫画が流行っている。
あれは主人公が
最初から強すぎることで
ギャグ漫画と格闘漫画の
両方の要素をカバーしている。
少し古いが主人公に最初から
才能が備わっている物語の典型は
「ハリーポッター」や「刃牙」
「るろうに剣心」などであろう。
最初から主人公が強い系のストーリーは
一体何が面白いのだろうか？
それは既知のよさである。
予定調和と言っても良い。
悪は最後に打倒される、
そう分かっていても
人はなんども同じ構造の物語を
結末まで見てしまう。
それは、ようするに
既知の良さを味わうためである。
幻想殺し（イマジンブレイカー）
上条当麻はどちらのタイプの
主人公だろうか？
実は両方の要素を備えている。
当麻には異能の力を完全に打ち消す
幻想殺し（イマジンブレイカー）
という能力が右手に宿っている。
能力系のファンタジーでは
実は打ち消し系は最強の能力なのだが、
そのことは物語の都合上、
巧妙に隠されていたりする。
よくよく考えてみれば
あらゆる攻撃手段が魔法や能力の場合
それを全て無効化できるというのは…
最強ではないだろうか？
例えばアクセラレータが強いのは
攻撃を無力化する反射があったから。
相手の攻撃力を0にするというのは
戦争に置き換えれば制圧に等しい。
戦いにおける最終目標でもある。
それを最初から能力として持っている
上条当麻は、実は「最強」の主人公なのだ。
一方、普通の人間でもある当麻は
右手に収まらない広範囲の攻撃や
相手に触れることができない
遠距離の戦いでは最弱である。
この最弱と最強の絶妙なバランスが
上条当麻には見事に共存している。
つまりアニメを観ている側としては
弱者としての当麻の成長を楽しむ一方で
強者としての当麻の既知の良さを
楽しむこともできるようになっている。
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