アカネの本当の正体は人間であり
裕太にグリッドマンが宿った理由は
六花好きのイレギュラー個体だったから
という内容を前編の記事では書きました。
この記事では残りの解説が必要そうな
ポイント3つについて感想・考察を
書いていこうと思います。
・グリッドマンが裕太に宿った理由
アレクシス・ケリヴの目的とは
「あの街」は結局なんだったのか
最後に出てきた怪獣の正体は
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アレクシス・ケリヴの目的は情動の収集
アレクシス・ケリヴの目的は
「人間の情動の収集」だった
というのが私の解釈です。
情動と感情の違い
最終話でアレクシス・ケリヴは
「情動」という言葉を複数回使います。
「情動」というのは
「体の変化を伴うような、
一時的で急激な感情の動き」
を意味しています。
例えばグリッドマンの
最終回の放送を観た直後は
「マジで泣いた!感動した!やばい!」
などと興奮して泣いたりしますが
寝て起きると少し落ち着き、
会社や学校が始まる日には
もうその時の興奮は落ち着いてます。
このように「情動」とは
泣いたり発汗したりと
一時的には人間の体に変化をもたらし
心を大きく揺さぶりますが
あくまでも一瞬のものです。
これに対して「感情」というのは
もっと長期的なものを指し
「彼氏にフラレて半年ほど憂鬱」
というのは情動ではなく「感情」です。
脳科学的にも「情動」というのは
「感情」の一部ではあるが
別のものとして捉えられています。
人間の情動を食らう魔物
アレクシス・ケリヴは
劇中でこのように言っています。
私の命には限りがない。それは私に虚無感をもたらした。アカネくんのような人間の情動だけが私の心を満たしてくれた。
このセリフからもわかるように
アレクシス・ケリヴの最大の目的は
「自分の心を満たすために
人間の情動を収集すること」です。
退屈していたアカネに
怪獣と街を与えたアレクシス・ケリヴは
アカネの中に都度発生する情動を
燃料にして生きていた存在。
確かにケリヴの目的は「悪役としては」
少し分かり難いものだと思います。
ある意味ではアカネを救い
自らの欲求も満たしていたので
WIN-WINな関係とも言えます。
ただ短期的にWIN-WINでも
長期的には人間を糧にした搾取であり
グリッドマンサイドとしては
人間を糧にしているところが
取り締まりの対象だった
ということでしょう。
しかしもっとこう
「人間を支配する」とか
「コンピューターワールドの征服」とか
言ってくれれば悪役としては
分りやすいですよね。笑
でもそこをあえて
安易に表現しなかったところが
SSSS.GRIDMANの魅力なのでは
と私は思います。
蛇足ですが、
もしアレクシス・ケリヴの目的が
人間の「感情」の収集であったなら
もう少しアカネやアンチの心を
理解することができたのかもしれません。
「あの街」はコンピュターワールドの一部
六花や内海の住むあの街は
コンピューターワールドの一部に
アカネが作ったアカネのための世界
というのが私の捉え方です。
あえて現実世界の描写は省略
話を分かり難くしているのは
コンピューターワールドの対比である
現実世界の描写がほぼ0であること。
これはおそらく意図的に
そうしているのだと思います。
12話という時間的な問題もありますし
なにより現実世界を描き出すと内容が
特撮グリッドマンと被るからです。
しかしあのアニメの世界が
コンピューターワールドである
というのは恐らく正しい理解です。
例えばアレクシス・ケリヴは
「もうこの世界に用事はない」
と言い放ちワープで逃げ去ろうとします。
あのピンク色のワープ表現は
特撮グリッドマンに登場する
別のコンピューターワールドへの
脱出経路である「カサルート」と
とてもよく似ています。
さらに決定打はグリッドマンの
フィクサービームです。
最終的にアレクシス・ケリヴを倒す
必殺技になったフィクサービームですが
あれは特撮グリッドマンでは頻繁に出る技で
怪獣に壊されたコンピュターワールドの
修復を目的に使われるものです。
コンピューターワールドの全部ではない
あの街はコンピューターワールドである
と思いますが恐らく全部ではないのでしょう。
その証拠にアレクシス・ケリヴは劇中で
「この世界、いやこの街のなれの果て」
とわざわざ世界を街に言い直します。
あの街はあくまでも新条アカネという人間が
アレクシス・ケリヴと怪獣の力を借りて
コンピューターワールドの内部に作った
イレギュラーな空間なのだと思います。
そう考えれば特撮グリッドマンとの
整合性も取れますし今後新しい物語を
創ることもできるように思います。
最後に出てきた怪獣は初代アノシラス
最後にアンチを助けた
2代目アノシラスちゃんの背後にいた
でかい怪獣こそ初代アノシラスです。
これは特撮グリッドマンの
第6話を見るとわかります。
ビジュアルがそのままなので。
「アカネはまた怪獣を作ったの?」
と思った方もいたかもしれませんが
アノシラスはグリッドマンの世界では
最初からコンピューターワールドに
存在する野生の怪獣として扱われており
誰が作ったわけでもありません。
詳しくはこちらの記事にも書きましたので
興味があれば読んでみてください。
感想まとめ「2期の可能性は…」
2期の可能性大いにあると思います。
というのは、六花や内海を
あまり厳密に説明しなかったことが
良かったように思います。
六花や内海たちというのはアカネが作った
レプリコンポイドであり、
人間を真似した贋造物である
というのは確かに衝撃でした。
(詳しくは考察1に記載)
しかし贋造物やレプリコンポイドが
どの程度のレベルの独自性や
個性を持っているのかは、
作中では触れられていません。
アカネ(人間)側の視点では
六花たちは単なるデータ
なのかもしれませんが
作中ではそういった説明はあえて
避けているのでしょう。
多少曖昧なものを含んでいたほうが
作品の世界観は豊かになります。
例えば、25年前に
電光超人グリッドマンが放送されたとき
初代アノシラスを原始の怪獣にして
設定をあまり詰めすぎなかったことが
今回のアニメでは活きました。
あまり設定を厳密にするよりも
キャラクターの幅を残してくほうが
今後の創作にプラスになることも
あります。なので・・・
いくらでも2期やスピンオフ
つくれそうだと思います。
てか創ってアカネ様。
アンチもあの街の中にもいますし
グリッドマンも帰還しただけ、
そしてアレクシス・ケリヴは
箱に封印されただけ・・・
内海が最後に受け取ったガラス玉は
グリッドマンの2期での活躍を
示唆しているのかもしれません。
わざと含みをもったまま
終わったような気もします。
ぜひ一ファンとして次回作に
期待したいなと思います。
ケイ