(C) 望月麻衣・秋月壱葉/DEF STUDIOS/「京都寺町三条のホームズ」製作委員会
この記事ではアニメ
「京都寺町三条のホームズ」
に登場した美しい古美術品を
紹介していきます。
第一回では1話から3話まで
に登場した古美術品を解説します。
古唐津の茶碗
記念すべき一つ目の古美術品は
古唐津(こからつ)の茶碗でした。
『唐津』とは地名のことで
いまの長崎や佐賀を指します。
『古唐津』とは唐津焼の中でも
慶長(1596~1615)から元和(1615~1624)
ごろに焼かれたものを指します。
この茶碗を見た葵は
「あまり絵が優れている
わけじゃないんですね」
と言います。
しかしそれが
古唐津の茶碗の味わいです。
古唐津は
『焼物好きが最後に行き着く品』
とも言われているそうです。
高台(こうだい)という
椀の底の台座が
固い土のせいでしわしわに
なっているのが特徴。
これを縮緬皺(ちりめんじわ)と呼び
唐津茶碗に使う土にしか
見られない特徴です。<参考サイト>
黄瀬戸の茶碗
黄瀬戸(きぜと)の茶碗は
ホームズのライバルである
円庄が最初にお店に持ち込んだ
贋作(がんさく)として登場します。
特徴は土の表面に
油を流したようなつや感と清潔感。
これを『油あげ肌』とも言うそうです。
また見た目よりも
持った感じは軽やかで、
胆礬(タンパン)と呼ばれる
緑の鮮やかな発色も特徴です。
白隠慧鶴の禅画『だるま図』
白隠慧鶴(はくいんえかく)とは
江戸中期を生きた臨済宗の禅僧です。
『禅画』とは禅の精神を
抽象的に表現した絵のこと。
作中では2百万円はすると
ホームズが言っていましたね。<参考サイト>
白隠慧鶴の禅画『赤子の絵』
こちらも上記の白隠の絵なのですが、
恐らく物語の中のオリジナルの絵なのでしょう。
ホームズいわく値段は付けられないとのこと。
掛け軸『日招ぎの清盛』
沈み行く夕日さえ動かしたという
平清盛の権勢に人々が平伏する、
そんな様子を描いた絵。
美術品的な価値は無かったが、
作家の梶原が長男へ
『清盛のように上を目指しつつも
おごり高ぶるな』
というメッセージがこめられている。
掛け軸『富士越龍図』
有名な葛飾北斎の最後の作品
『富士越龍図』(ふじこしのりゅうず)です。
北斎は死ぬ前、
あと5年生きれば
真の絵師になれたのに、
と言ったといいます。
この龍図には
そんな北斎のあくなき向上心が
富士をも越える龍として
描かれている。
作中では
作家の梶原の次男へ
『芸の道を極めてスターになれ』
というメッセージが
こめられていました。
これも本物の北斎の
浮世絵ではないため
美術品的な価値は無かったですが。
掛け軸『忠盛灯篭』
作家梶原の三男ハルヒコへ送られた掛け軸で
「忠盛灯篭(ただもりとうろう)」という
物語を表現している。
その昔、平忠盛(たいらのただもり)は
法皇(ほうおう)に鬼を討ち取れと命じらます。
しかし忠盛が鬼を生け捕りにして
よくよく見てみると、
それは鬼ではなく
ただの老いた僧(そう)だった
という物語。
この話の詳細は
こちらに書きました。
まとめ
今回は作中に登場する
古美術品を1-3話までまとめてみました。
次回は4話と5話で登場した
古美術品をまとめたいと思います。
ライバル円庄が潜んでいた
南禅寺の古美術作品が
たくさん登場しましたね。
⇒【4-5話の古美術品まとめ】