前編では謎多き皇帝シャルルの目的や、
その目的達成のために必要だったCの世界、
思考エレベーター、アーカーシャの剣
などについて説明しました。
後編ではV.V.(ブイツー)との関係や
息子のルルーシュや娘のナナリーを
どう思っていたのかについて解説します。
V.V.(ブイツー)をなぜ見殺しにしたのか
V.V.との関係も、
よく見ないと分かりにくい
関係になっています。
一見すると2人は兄弟で、
味方じゃないの?
と思うのですが、
まず2人は実の兄弟ではありません。
そしてシャルルは、
随分前から
V.V.は利用したあと切り捨てる
と決めていたようです。
なぜならV.V.こそ
妻のマリアンヌを殺した
張本人だったからです。
V.V.はそれを
シャルルにずっと黙っていましたが、
シャルルはどういうわけか
その事実を知り
「兄さんは嘘をついた!
嘘のない世界を
一緒に作ろうと言ったのに!」
と憤慨します。
しかしシャルルは
V.V.のもつコードや
ギアス嚮団(きょうだん)の研究力が
自らの計画の達成には
必要不可欠だったため、
仲の良いふりをしていたというわけです。
C.C.(シーツー)をなぜ急に探し始めたのか
C.C.はもともと
ギアスを研究していた嚮団(きょうだん)の
お飾りの嚮主(きょうしゅ)でした。
しかしV.V.が
マリアンヌを殺害したことを知り、
あっさり嚮団を去ったことからも
シャルルにとってC.C.は
神を殺す計画を共有した同志、
というだけの存在だった
ように考えられます。
しかしCの世界や
アーカーシャの剣の研究が進むにつれて、
C.C.のもつコードも
計画の発動に必要だと判明します。
シャルルはそこから
血眼になってC.C.を探します。
C.C.をおびき寄せるために
自分の息子ルルーシュを
おとりに使ったりもしました。
これがシーズン2の
第一話に繋がっていくわけです。
ルルーシュとナナリーを捨てた理由
ルルーシュとナナリーを捨てたのは
V.V.から2人を守るためだった、
というのがシャルルとマリアンヌの説明でした。
確かにブリタニア本国に置いておくと
V.V.に消されるかもしれないので
それは本当なのでしょう。
しかしそれではなぜ
2人が住む日本とブリタニアが
戦争をしたときに、
皇帝は2人を守らなかったのか?
それは、「神殺し」を計画していた皇帝にとっては、
もはや現実世界で
2人が生きていても死んでいても
どちらでもよかったからです。
最終的には
その倫理感の欠如が
息子からの反逆を招き、
自身の計画を
破綻させることになったのは
皮肉ですね。
まとめ
皇帝シャルルの目的は
「嘘のない優しい世界」
を作ることでした。
しかし最後は息子に
「それは自分に優しい世界だ」
と喝破され、
マリアンヌと共に
Cの世界に飲み込まれていきます。
それに対して
息子のルルーシュと娘のナナリーは
もう一段倫理観の高い理想として
「他人に優しい世界」を
作るべく行動していきます。
この二代に渡る対比と成長が
コードギアスの見事な構造なのだと
感心します。
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間違った方法で手に入れた結果に、価値は無いと思うから by枢木スザク