コードギアスの主人公ルルーシュは
一見するととても痛いキャラクターに見える。
確かにコードギアスが好きな者同士で盛り上がるときも
ルルーシュのある種の「痛さ」
で話が盛り上がることは多い。
しかし私たちは同時に、なぜか
とても彼に引かれている。
今回は主人公ルルーシュの魅力について
考えていきたい。
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ギャップ
「魅力的な人とはどういう人だろうか?」
この種の問いを誰もが一度は
考えたことがあるかもしれない。
私が思う「魅力的な人」
の一つのパターンとは、
「ギャップのある人」
であると考えている。
例えば、頭が良いのに歌は音痴だとか、
ムキムキのマッチョなのに
ピアノも弾けるとか、
そういう人間としての幅や
欠落感のある人のことである。
そういう意味でいえば、
ルルーシュという人物も
ギャップの塊である。
例えば、彼は
高校生ながらチェスの天才であり
異常に頭がキレるが
全く運動はできない。
また指揮官として
非情なまでの冷酷さを持っているが
妹のナナリーには
異常なまでの優しさを見せる。
また常に冷静沈着に
判断しているかと思えば、
突発的なイレギュラーには
めっぽう弱いところがある。
このようなギャップこそ
ルルーシュの魅力の一つなのだろう。
社会的に弱い立場
また社会的に弱い立場の者が
自分の居場所を作ろうと
必死に奔走していく姿は、
物語の主人公の王道パターン
とわかっていても
魅力的に映るものである。
不平等から這い上がろうとする反骨精神は、
いつの時代も人の心を捉えてしまう。
しかしこのルルーシュの
湧き上がるような反骨精神は
どこから来るのだろうと思い
考えた結果、
一つ思い出したことがある。
谷口悟朗監督である。
谷口監督はアニメーター(絵描き)
としてのキャリアがない。
アニメーターのキャリアというのは
アニメ業界ではゴールデンカードである。
もちろん最近は
アニメーターのキャリアと関係なく
成功した監督もたくさんいる。
しかしアニメ業界における
エリートバロメーターとして
アニメーターとして優秀だったかどうか、
という見方が今でも存在する。
そういう意味では
谷口監督は業界の中では
アウトサイダー、
弱い立場であったようである。
そして監督の置かれた業界内の立ち位置が、
私にはルルーシュの反骨精神と
重なって見えた。
責任を取るダークヒーロー
ルルーシュは
一般的なヒーローではない。
どちらかというと
ダークヒーローである。
しかし責任を取るダークヒーローだ。
「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」
というセリフに代表されるように、
ルルーシュという人物が魅力的なのは、
自分の行動に責任を持つ姿勢だ。
ルルーシュは始めこそ
黒の騎士団を完全な道具として利用するのだが、
結果を出して自らへの支持が広がってくると
自分へ課せられた「社会責任」
のようなものについても
意識するようになってくる。
第一話で「どうせ世界は変わらない」と
責任を世界(他人)のせいにしていた青年が
成長していく姿はとても魅力的である。
まとめ
不平等ながらも
手持ちの資源を最大限に活用し
成長していくルルーシュに
人は共感するのかもしれない。
それはきっと現実で生きる
私たちにも同じような境遇が
少なからずあるからだろう。
もちろん私たちには
ギアスもなければ
天才的な頭脳も無いが、
ルルーシュはきっと
私たちの成長への可能性や、
「責任」を取ることの大切さを
示してくれているのだろう。