(C) 西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
戦場ヶ原ひたぎが出会った
蟹の怪異の問題を
解決した阿良々木は、
公園で佇んでいた。
その日は母の日で
暦は家に居場所がなく
公園で時間を潰しているのだが、
そこに戦場ヶ原が現れる。
「おやおや、犬の死体かと思ったら、
なんだアララギくんじゃない」
素晴らしい登場シーンである。
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あらすじ(ネタバレ)
「まよいマイマイ」という話は、
阿良々木暦が八九寺真宵という
少女に出会う物語である。
八九寺真宵はある日、
お母さんに会いに行こうと
家を出たのだが、
横断歩道で交通事故にあい
亡くなってしまう。
それ以来、八九寺は
10年ほど同じところを
幽霊としてさまよっているのだった。
そして彼女は
道に迷った人だけが見える
「迷い牛」という怪異になった。
(怪異といっても姿はただの幼女)
つまり阿良々木は
道に迷った幽霊の少女に
出会ったのだが、
一緒にいる戦場ヶ原には
それが見えていないのだった。
羽川に八九寺が見えた理由
この話の秀逸なところは
八九寺は道に迷った人にだけ
しか見えないという演出だ。
そして物理的な道順というよりは、
もっと精神的な迷いに近い。
例えば、阿良々木が
最初から八九寺を発見できたのは
阿良々木自身が、
家に居場所がないという
迷いを抱えていたからである。
またきちんとした説明は無いが、
途中で登場する羽川翼も
八九寺と会話することが出来ている。
これは羽川も暦と同じように
帰る場所を失っていたからである。
ただし羽川は
そんなそぶりは一切見せない。
(そこが一番怖いだろ)
一方で戦場ヶ原は、
八九寺のことが最後まで
見えていない。
これが明かされるのは
「まよいマイマイ」の後半なのだが、
聞いた瞬間は視聴者も一緒に
ゾッとできる演出になっている。
この時の戦場ヶ原は
特に心に迷いを抱えては
いなかったのだろう。
八九寺家に辿りつけた理由
なんやかんやと一行は
最終的に八九寺の家に
たどり着くのだが、
最初に阿良々木たちが
八九寺家に辿り着けなかった
のはなぜだろう。
それはもちろん
八九寺真宵が「迷い牛」
という怪異だったからだ。
彼女自身が
道に迷っているのと同様、
一緒にいる人をも
道に迷わせてしまうというのが
迷い牛の特性でああった。
よって作中では
戦場ヶ原がGPSを使おうとしても
GPSが起動してくれない
という現象が起こる。
しかし最後に一行は
八九寺家にたどり着く。
なぜ一行は八九寺家に
辿り着けたのかというと
阿良々木たちが、
区画整理で新しくなった道
だけを通って目的の住所に
向かったからだ。
八九寺が幽霊として
10年間彷徨っている間にできた
新しい道には迷い牛の力が
及ばなかったということである。
まとめ
羽川が真宵に出会えたのは
羽川自身が両親のことで
悩んでいたことが理由であった。
この羽川家の問題は
このあとに続く物語の
大きな伏線になる。