サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に のあらすじ
2117年11月。狡噛慎也は2116年に起きた東南アジアのSEAUn(シーアン)での事件後も南アジアで放浪の旅を続けていた。
紛争が起きそうな地域をおとずれ、傭兵として慈善活動をしていた狡噛は、チベットヒマラヤ王国に向かう途中、
紛争解決屋で傭兵団のリーダー「ガルシア」と出会う。狡噛の様子を見ていたガルシアは、狡噛のことを気に入り車を貸すという。
ガルシアから借りた車でチベット王国に向かう道中、狡噛は武装ゲリラに襲われていた一台の難民バスを救う。
難民バスの中にいた少女テンジンは、武装ゲリラに殺された両親の復讐のために、戦い方を教えて欲しいと狡噛に願い出る。
ケイ
復讐を望む少女と復讐を終えた男の対比が見事に描かれたSS Case3は1期から続くシリーズのまとめ的な物語といっても過言ではないでしょう。
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サイコパスSS Case3の感想1|タイトル「恩讐の彼方に」の意味
Case 3の作品の中でも登場しますが、もとネタは菊池寛(きくちかん)の小説「恩讐の彼方に」のタイトルです。
恩讐の彼方とはお世話になったことから恨みつらみまで、様々なことがあった果ての心境、といった意味あいがあります。
日本で復讐を果たした狡噛は、異国の地で人助けをして恩を売りますが、一方それが原因で同業者からは恨みを買います。
別の同業者(ガルシア)からは無償で車を借りるなどの好意を受ける一方、中盤では命を助けた少年に銃で撃たれて死にかけたりもします。
サイコパスSS Case3「恩讐の彼方に」は恩義と裏切り、復讐と後悔など、様々な要素があわさった人間模様を端的に表したタイトルと言えますね。
サイコパスSS Case3の感想2|花城フレデリカ登場は大正解だった
サイコパスSS Case3にはアニメ版の1期や2期には登場しなかったキャラクター「花城(はなしろ)フレデリカ」が登場します。
花城フレデリカは外務省の人間で、かつて日本から同盟国に派遣された技術支援者の捜索を行っていました。
花城フレデリカというキャラクターのおかげで、映画的な色気が適度に添加され、狡噛の心理描写にも一役買っています。
狡噛と同じく雑賀(さいが)教室の受講生だった花城フレデリカは、心理カウンセリングで狡噛の心を読み解いていきます。
狡噛が話し合いで誰かに負かされるのは、マキシマ以来初めてかもしれませんね(槇島とは議論になっていたか謎ですが…)
サイコパスSS Case3の感想3|狡噛が本当の意味で槇島を乗り越える
サイコパスSSでは狡噛と槇島の会話も見どころです。(といっても槇島が復活するのではなく、あくまで狡噛の一人芝居)
狡噛は結局、アジアを放浪する中で「槙島聖護の呪い」と戦っていたのでしょう。狡噛にとって槇島への復讐は完全に「殺人」であり、
狡噛は殺人の罪を背負いながら、答えのない旅をしていたのだと言えます。槇島はそれをして「悪霊に取り憑かれている状態」と喝破します。
しかしCase3でテンジンに出会い、花城フレデリカに背中を押されることで、狡噛はやっと一つの答えに辿り着きます。
それは世界を変えるのではなく、自らを変えるということ、そして過去から逃げるのではなく、過去と向き合うということ。
このようにして狡噛は花城とともに再び日本に戻る決意をします。そのようにしてサイコパス3期1話 に繋がっていきます。
サイコパスSS Case3の考察1|雨の中で踊る男の話の意味とは
ある日、雨の中で踊る男がいた。その男はたいそう上手に雨の降る道の真ん中で踊っていたそうだ。
雨の中で踊る男にある男が訪ねた「あなたはどうしてそんなにずぶ濡れになって踊っているのか?」と。
すると男は答えた「実は私しょんべんを漏らしているんです、雨の中で踊れば、漏らしていることがわからないでしょう」と。
この話はサイコパスSS Case3の中で、赤毛のツェリンの口から語られる逸話で特に解説はありません。
しかしこの「雨の中で踊る失禁した男」というのは間違いなく狡噛のことを表すメタファーでしょう。
失禁したこととは=殺人(復讐)を犯したことであり、雨の中=というのは戦場のことです。
雨の中で全身を濡らせば失禁をごまかせるように、戦場でずっと戦っていれば自らの殺人(復讐)もごまかすことができる。
しかし周りはごまかせても自分はごまかすことができない。狡噛は最後にそれに気づき、雨の中で笑ったのだと思います。
サイコパスSS Case3の考察2|花城フレデリカの正体と目的
花城はかつてシビュラシステムによって捨てられた日本人たち(日本棄民)の中から色相が良好なものを探し出す仕事していました。
しかし日本棄民調査でチベットにいたというのは建前で、本当は兵器の密輸ルートの特定が目的だったようです。
その証拠に花城は「やはりピースブレイカーが横流しをしていた」と携帯端末でだれかに向かって報告をしていました。
ケイ
ピースブレイカーや花城の役割について、SS Case3での解説はありませんが、狡噛は最後に花城と共に日本に帰国します。
サイコパス3期では恐らく、外務省で何らかの仕事を手伝っている狡噛と花城の活躍が見られるのではないでしょうか?
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