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アニメ『サイコパス3期』ネタバレ考察・解説・感想|開国政策に舵を切った日本の行く末【PSYCHO-PASS 3】

※2019年12月7日に更新しました。
7話までの内容を解説しています。

2120年、東京。舞台は、シビュラシステムが恒久的な平和を実現した日本社会。
2期から数年の時をへて帰ってきたTVアニメ「サイコパス3」は、常守朱の語りからスタートします。

「シビュラシステムと長い鎖国政策により、日本は世界紛争の悲劇を免れ、ゆいいつ平和な国となった」

「私達はなにを犠牲にし、何を忘れ去ったのか。答えは深い闇のなかにある。この社会にひそむ本当の罪とともに」

常守朱の語りのポイントは「犠牲」と「忘却」と「社会にひそむ罪」という言葉です。
これはサイコパス3で登場する新しい設定「開国」と関連していると思われます。

2019年に公開された映画サイコパスSSにも「開国」や「海外での犯罪」にかかわる伏線がありました。
過去シリーズを楽しんだファンとしても、3期は一つの大きな締めくくりとして楽しむことができるでしょう。

サイコパス3期(PSYCHO-PASS 3)ネタバレ考察・解説

1話「ライラプスの召命」の意味

©サイコパス製作委員会

特徴的な1話のタイトル「ライラプスの召命(しょうめい)」ですが、ライラプスとはギリシャ神話に登場する猟犬のことです。

この犬はどんな獲物でも決して逃がさないと運命に定められていて、狙った獲物は決して外さないという槍とともにクレータ島の王ミーノースの宝物だったとされる(ウィキペディアより引用)

恐らく今回のタイトルの意味というのは、犯人を追いつめるための猟犬という意味で慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフのことでしょう。

メンタルトレース中に狼あたまの男が灼の心にイメージとして浮かぶことも、灼が猟犬であることを示唆しているように感じます。

1話の考察|常守朱の状況が最大の伏線

©サイコパス製作委員会

常守朱は「ある事件をきっかけに勾留中」とのことで「ある事件」とはおそらく慎導灼が夢の中で聞いたラジオから流ていた事件でしょう。

この夢の中の車内ではラジオが流ており、「元監視官を逮捕、サイコパスは非公表」と伝えています。

常守朱は不動の色相を持っており、常守朱が潜在犯になったとは考えにくい。
よってサイコパス3期では常守朱がどうして勾留されたのか?も最終回に繋がる重要な伏線になっていそうです。

2話「テウメソスの生贄」の意味

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ギリシャ神話の中でテウメソスの街に住む人が、怪物の狐の気をしずめるために人間の生贄をささげたという話があります。
それがテウメソスの生贄の本来の意味です。

この怪物キツネ=テウメソスの狐は、神話のなかでは「誰にも捕まらない運命」を持っていました。
おそらくこの設定をシビュラから逃れるインスペクターやコングレスマンの設定とかけているのでしょう。

2話では外務省行動課のダミー会社を見破るため、インスペクターの些々河が生贄になりました。
よってタイトルの「テウメソスの生贄」は些々河のことだったのでしょう。

3話の考察|システムで捕えきれない犯罪者

©サイコパス製作委員会

現実の社会でもシステムで捕らえきれない犯罪者というのは存在しています。
例えば「氷山の一角だろうな…」というような政治家の汚職、大企業の幹部の不正などです。

そういった実在するけど表に出てこない存在を、サイコパス3では意識しているように思います。

例えばインスペクターの梓澤康一は色相はクリアなまま相手の色相を意図的に濁らせることや、自らの色相をクリアに保って犯罪を行う手法などを確立しているようです。

これは1期の槙島聖護のような免罪体質タイプとは違い、犯罪手法の高度化によってシビュラの目をかいくぐる設定のように推測できます。

4話の考察|ビフロストが小宮カリナを勝たせた理由

©サイコパス製作委員会

ビフロストが小宮カリナを勝たせたのは、代理人格AIを民衆に認知させるためとコングレスマンの代銀遙熙は語ります。

ビフロストが代理人格AIを民衆に認知させたいのはなぜか?
どうして代理人格AIの認知がビフロストの安泰に繋がるのか?

一つの仮説は、ラウンドロビンが政治を支配する社会への布石です。

コングレスマンがシビュラに干渉を受けない独自の経済圏を作ろうとした場合、ラウンドロビンがその中心的な役目を追うと考えられます。

そしてラウンドロビンは代理人格AIに近いような気がします。
その下準備として、民衆にある程度「代理人格AIはそんなに悪いものではない」ということを刷り込んでおく必要があったのではないでしょうか。

4話の解説|土谷博士の娘が亡くなったヘルメット暴動とは

©サイコパス製作委員会

ヘルメット暴動とは恐らく「サイコパス1期」で槙島聖護が誘導して起こしたサイコハザードテロのことです。

槇島はサイコパスの計測を不可能にする防御ヘルメットを作り、抑圧された感情を持つ一部の民衆にそれをバラまきました。
すると特に何の指示も受けていな民衆が、己の内なる欲望のままに行動しはじめ、次第に暴徒化しはじめます。

サイコパス1期14話「甘い毒」にて小宮カリナに似た女性がヘルメットの男に暴行され死亡します。

©サイコパス製作委員会

しかし槇島の真の狙いは、ヘルメットを被っていない人間たちの恐怖心を煽ることでした。
恐怖心に支配された民衆は、今度はヘルメットを被っていないにも関わらず、勝手に暴徒化していきます。

このようにして街中が隣人に疑心暗鬼を抱くようになり、多くの人命が失われる悲惨なテロ事件となりました。
この経験から土屋は集団心理の研究を始め、その研究過程で生み出されたのが大衆心理を誘導するAI<マカリナ>だったのでしょう。

5話「アガメムノンの燔祭」の意味

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タイトル「アガメムノンの燔祭(はんさい)」とは、権力者を爆弾で殺して供物にするという意味だと思われます。

例えば、アガメムノンとはギリシャ神話に登場する英雄で「王の中の王」と言われた人物です。
アガメムノンは戦争で素晴らしい戦果を上げ全ギリシャを統一しました。

また燔祭は旧約聖書でアブラハムが、神への信仰心を示すために息子イサクを生贄にしようとした儀式のことです。
つまり燔祭(はんさい)とは「神に生贄を捧げて信仰心を示す儀式」を指します。

5話のタイトル「アガメムノンの燔祭」は爆弾による自爆テロで権力者を生贄にすることを指しているのでしょう。

5話の考察|神と宗教について

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5話からは「宗教」が1つのテーマとなります。
天馬は「神なんかいないんだから宗教なんか潰してしまえ」と言いますが、実態はそれほど単純ではありません。

例えば「信じるもの」があったおかげで人との繋がりがあり、人生に絶望せず、前向きに生きることができる人もいます。
慎導灼が5話で語った「神がいるかいないかではなく人間には時に何か信じるものが必要」というのはそういう意味です。

しかしその一方で、信仰心を利用して、無差別な殺人を正当化したりする宗教が過去にあったのも事実です。
宗教を断罪するのはとても簡単ですが「無知と偏見」ではない正しい判断が求められる、ということを示唆しているように感じます。

6話の解説|ピースブレイカー

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梓澤とトーリが隔離された教会で会話しているとき登場した単語「ピースブレイカー」。
トーリはピースブレイカーの生き残りに、何かしら汚れ仕事をやらせるつもりのようです。

このピースブレイカーという単語はサイコパスSS Case3で花城フレデリカが追っていた組織でもあります。

詳しい考察はこちら(6話の考察|ピースブレイカーとは?サイコパスSS Case3の伏線)に書いていますので、良かったら読んでみてください。

7話「Don’t take God’s name in vain.」の意味

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タイトルの英語「Don’t take God’s name in vain.」の直訳は「むやみに神の名を用いてはならない」です。
しかし恐らくもともとは「Don’t take the name of the Lord your God in vain.」というよく似た文章がオリジナルでしょう。

この「Don’t take the name of the Lord your God in vain.」という文章は、旧約聖書の出エジプト記に登場する「モーセの十戒」の中の一節です。
7話はこの「モーセの十戒」から引用したものと思われます。

7話の中ではクリス・オブライエンが「神は許してくれる」と言って自らの行いに許しをこうて死にました。
一方で、神や無償の愛を広めるはずの教祖であったトーリは「愛など嘘っぱち」と言い、最後は舞子に撃たれて死にました。

神の名をむやみに用いた者たちが次々と消えていった7話は、タイトルの内容を素直に表しているのかもしれまんせん。

7話の考察|狡兎こうと死しして走狗そうく烹にらる

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7話のラスト、細呂木局長と会話する常守朱は「狡兎こうと死しして走狗そうく烹にらる」という言葉を放ちます。
この「狡兎死しして走狗烹にらる(こうとししてそうくにらる)」とは漢文の史記からの引用です。

解釈:すばしこいうさぎが死ぬと、猟犬は不要となって煮て食われてしまう。敵国が滅びると、功臣も今や無用であるとして殺されることのたとえ。出典:『史記』越世家

細呂木局長は免罪体質の慎導灼をシビュラの盲点を埋めるために不可欠な人材と言います。
では常守朱がわざわざ漢文を引用して細呂木局長に反論した意味はなんなのか?

常守朱はシビュラシステムが今は必要な存在と言っている人間を、あるとき冷徹に切り捨てる可能性について考えています。
かつて狡噛慎也や宜野座伸元がそうだったようにです。

そういった過去のシビュラを知っている常守朱は「不要になった監視官を使い捨てにはさせない」と警告しているのです。

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※本ページの情報は2019年12月時点のものです。

サイコパス3期(PSYCHO-PASS 3)のあらすじ

1話「ライラプスの召命」

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2120年11月の東京。
シビュラシステムによる監視社会により平和を実現した日本は、長い鎖国政策から開国へと舵を切った。

そんな中、一隻の輸送ドローン船が墜落事故を起こす。
その事故はドローン船の中にいたある人物を殺すために仕組まれたものだった。

事件の真相をつきとめるため新人監視官の慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフは秘密裏に操作を開始する。

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課長の霜月は二人の行動を叱責しつつも、事件の裏にある闇をつきとめるため、二人をあえて泳がせながらサポートする。

特A級メンタリストの能力を持つアラタは、事件の状況、背景、統計などから他人になり推理をすすめていく。
しかしビフロストと呼ばれる謎の組織とインスペクターたちの裏工作によって事件の捜査は行き詰まってしまう。

アラタとケイは事故現場で加害者のメンタルトレースを試みる。

ケイ

雨の夜に新人監視官のアラタとケイは早速現場に配属されます。雨の夜の配属はサイコパスのお約束です。

2話「テウメソスの生贄」

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メンタルトレースの結果、ドローン船墜落事故は意図したものであり、それは仕組まれた偶然が重なって発生したものだった。

事件の主犯と思われるトランスポート社顧問の与根原些々河を捉えるべく、入江のツテで廃棄区画に向かう一係。

しかしそこで与根原は既に死体になっていた。残された手がかりを求め些々河を追って空港へ向かう。

空港で2人を待っていたのは見慣れない男たち。狡噛慎也と宜野座伸元。2人は元一係の執行官であり現在は外務省行動課として活動していた。

狡噛たちの目的に気づいたとき、些々河はすでに機内で外務省行動課の花城フレデリカと須郷徹平に身柄を確保されていたのだった。

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些々河の逮捕からほどなくして都内のメンタルケア施設で落下事故が発生する。事故は自殺かそれとも他殺か。

一見、落下事故は不具合が偶然重なって起こったように見える…ドローン船事故との類似性を感じたは捜査を開始する。

入江は被害者の土谷荒城が一緒に働いていたというアイドル政治家の小宮カリナに事情聴取をしに行くが…

3話「ヘラクレスとセイレーン」あらすじ

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土谷の自殺を調べるため炯・ミハイル・イグナトフ廿六木は、もう一人の都知事選の候補者である薬師寺に面会する。

慎導灼入江はもう一人の候補者・小宮カリナに接触するが、小宮から確信に至る情報は獲られなかった。

小宮へメンタルトレースを試みるが、昏睡状態に陥いってしまうほどに小宮カリナの心は読みにくいものであった。

薬師寺の秘書であるリーが、被害者の土谷と同じホテルにいたことを突き止めた一係はリーに接触するが、謎の男たちの襲撃を受ける。

この襲撃でリーは死亡。リーの死亡は世論の同情票となり、薬師寺は選挙戦で有利な立場となる。

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茗荷谷の廃棄区画を牛耳る榎宮(えのみや)はコングレスマンの誰かから指示を受け、リーへの襲撃を実行していた。

炯・ミハイル・イグナトフは妻の舞子を病院へ連れて行くが、病院には外国人を差別する老人がおり、炯に向かって罵声を浴びせる。

外国人への差別に朝から苛立っていた炯は、捜査で訪れた薬師寺の事務所で廿六木に差別的な発言をする義兄を殴り倒してしまう。

炯は自ら起こした暴行によって職務停止に。炯の抜けたリソース不足を補うため、六郷塚弥生が一係にやってくる。

4話「コロッセオの政争」あらすじ

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停職中の炯の穴を埋めるべく、かつて一係で活躍した六郷塚弥生が捜査コンサルタントとして捜査に参加する。

弥生はかつて潜在犯で執行官だったが、サイコパス色相の良化によって社会復帰を果たしたのだった。

一方、東京都知事の選挙戦は激化し、薬師寺陣営リードのまま公開演説の日を迎える。

エノミヤの手配した暗殺者たちがカメラの色相チェックをすり抜け、小宮と薬師寺を襲撃する。

この襲撃によって小宮カリナのAIホロによる演説の偽装が世間に知れ渡ってしまうが、最終的に小宮は東京都知事に当選する。

コングレスマンの捨て札として利用された榎宮は梓澤康一によって事故に見せかけて消されてしまう。

全ては代理人格AIを民衆に認識させたうえで小宮カリナが当選するようにコングレスマンが仕組んだ計画だった。

また薬師寺の財布からは「梓澤康一」の狐の名刺が発見され、炯と灼はまた一歩核心へと近づいていく。

5話「アガメムノンの燔祭」あらすじ

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天馬から狐のマークと「梓澤康一」の名前が入った名刺を受け取る。狐との繋がりを探るため、は元監視官の吉良と収容所で面会を行う。

吉良の同僚で死亡した監視官・伏瀬の事故にも「狐」が関係していると聞く。吉良は炯に「公安局にも狐はいる」と伝えるのだった。

ケイ

前任監視官=吉良ということで、監視官の死亡事故は常守朱が収容される原因になった事件とはまた別だったようですね。

一係は信仰特区<三郷ニュータウン>でのPRイベントの警備を行うが、イベント中に腹部に爆弾を抱えた男が自爆テロを起こす。

自爆テロによって宗教特区を推進していた代表3名が死亡。は生き残った反対派の代表3名に事情聴取を行う。

難民弁護官のテレーザ陵駕、ニュータウン工場労働者の顔役であるジョセフ・アウマ上人、そして自爆犯も信者だった公認宗教団体〈ヘヴンズリープ〉教祖代行トーリ・アッシェンバッハ

3名に何か引っかかる点はあるものの、ドミネーターによる色相判定は全員クリア、事件関与の証拠は得られなかった。

一方、信仰特区の賛成派で唯一の生き残りである入国管理局オブザーバー、久利須=矜冶・オブライエンの病室で二度目の爆破事件が発生する。

6話「カエサルの金貨」

自爆テロ事件の真相をつかむため、炯と真緒の二人はヘヴンズリープへ潜入捜査を行うが、トーリに変装を見破られ拘束されてしまう。

一方、次の爆破テロが発生し、アウマ上人が死亡。アウマ上人は強制売春をさせられていた難民を保護する一方で武器の密輸を行っていた。

さらにテレーザ陵駕の管理するリースカー会社を調べると、アウマ上人の持っていた武器と大量のダイヤモンドが見つかった。

テレーザ陵駕がテロの標的になったこと、久利須の死亡が偽装だったことなどから、灼はこの事件は「この国が難民にしいてきた問題の告発である」と推理する。

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※本ページの情報は2019年12月時点のものです。

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